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赤本
戦前の日本より1000万部以上発行された通称「赤本」と呼ばれている超ベストセラーがあります。
著者は築田多吉(1872〜1958)で、正式タイトルは【家庭に於ける實際的看護の秘訣】といいます。
この赤本は去年の10月末に現代語版が「あなたと健康社」の雑誌に紹介されたそうで、現在も築田三樹園社より発行され、1冊6,000円の価格で今までに400冊くらい売れているそうです。
赤本の内容は、東洋医学の観点で日本古来より伝わってきた民間療法を築田多吉が実践して実際に有効な結果が出た、誰でも家庭で実行可能な治療法をまとめた本です。

僕は最近まで赤本の存在は知りませんでしたが、日本古来より伝わってきた民間療法がよく効くという噂は聞いていました。

先日、ヤンガートレーディングの北村さんと美上先生と一緒に表参道のPURE CAFEへ行き、ランチをご馳走になりながらお話をしていた中で、美上先生から赤本についての話題があり、早速ネットで赤本についての情報をリサーチして下記の赤本を3冊取り寄せました。


【家庭に於ける實際的看護の秘訣】
昭和5年9月14日発行
(1615版中、第285版)くらい?
著者:築田 多吉


【赤本の世界】
平成13年発行
著者:山崎光夫
発行所:文春新書


【新赤本 家庭の医学】
平成5年発行
発行者:大渡肇
発行所:�保険同人社
印刷所:�廣済堂


昭和5年に発行された築田多吉 著の「赤本」はオークションで手に入れたのですが、ページ数は約700ページで、カナつかいが古く、容量も匁の単位で活字もかすれて読みにくかったので、この赤本からの一部分を引用した記事がまったくそのまま記載されている山崎光夫 著の「赤本の世界」を購入しました。
こちらの「赤本の世界」は約200ページに短くまとめられていて、現代語にも直してあったので読みやすかったです。

そして「新赤本 家庭の医学」については、築田多吉 著の「赤本」の内容とは全く関係がないことを購入してから気付きました。内容はほとんど西洋医学で約2000ページにもなり、漢方薬についても少し触れているようですが、築田多吉 著の「赤本」ほど親切な内容ではないように思いました。全てに目を通すわけにもいかないのですが、一部分の内容を下記に比較してみました。



▼のどに魚の骨が刺さったとき
【赤本】昭和5年発行 築田多吉 著
・「赤本の世界」と同じ内容

【赤本の世界】
・ご飯の塊、パンの片、さつま芋を丸呑みする。
・団子状の真綿に糸を通し、真綿だけ飲み込み糸を引っ張って、真綿に骨を引っ掛けて取る。
・割り箸の先に真綿を巻き付けて、のどの奥をかき回す。
・柚の種と南天の葉を煎じて飲む。
・ワカメを丸めて噛まないで飲み込む。
・ニラを切らないでお粥に入れて食べる。

【新赤本 家庭の医学】
・小さなパンの塊を2、3回飲み込んでみる。
・勢いよく咳をする。
・取れたら、よくうがいをする。
・なかなか取れないときは、耳鼻咽喉科に受診し取ってもらう。



▼やけどの応急処置
【赤本】昭和5年発行 築田多吉 著
・「赤本の世界」と同じ内容

【赤本の世界】
・やけどをしたら急いで熱を取り除き、患部を空気に曝さないよう塩水に浸ける。これが早ければ水疱はできない。
・胡麻油か種油をガーゼに浸して患部に貼り、油紙を覆い包帯すると、痛みもなく痕を残さず治る。もし、まごついて水疱ができてしまったら、油治療後に一昼夜以上経過してから、針で水疱の水を出し、薄皮を破らないようにその上から油治療をやれば、4〜7日で治る。
・木灰を水に溶いて湿布するか、灰を唾でとりつける。
・水で2〜3倍に薄めた柿渋をガーゼに浸して患部に貼る。
・200倍の硝酸銀水(※劇薬)をガーゼに浸して患部に貼る方法は、ひどい火傷にも驚くほど効く。
・脱脂綿に石油を浸して手早く包む。
・線香の灰を胡麻油で練って膏薬にして貼用する。
・馬鈴しょ、さつま芋、里芋、山芋などのいずれかを摺りおろして、直ぐに塗り付け包帯する。豆腐や糠味噌も有効。

【新赤本 家庭の医学】
・直ちに患部を十分に冷やし、清潔な状態にして、抗生物質外用薬以外の軟膏などをつけないでただちに病院へ。
・傷口から細菌が入って感染すると、やけどが深くなるので、チンク油や軟膏などの薬をつけてはいけない。
・水疱ができたら潰したり破れないように清潔なガーゼでそっとおおい、医師の診察を受ける。



▼ホクロやイボを取る方法
【赤本】昭和5年発行 築田多吉 著
・イボには色々な種類があるので、一様には申せませんが、大抵は、ヨクイニン(鳩麦)を殻のまま潰して水で練りイボに塗ると取れます。
根の太いイボはヨクイニンでは取れないので、根本を絹糸でくくるか、蜘蛛の糸で巻いて置く取れます。
蘇生した根の細いイボは、イチジク葉か乳草をちぎって出る乳液を、毎日2、3回付けると7日か10日で治る。
・木灰と石灰を等分に合わせ水で練り、その中へ餅米20〜30粒を縦に植え暖かいところに置くと餅米は水銀のようになる。これをイボに付ければ一回で落ちる。ホクロにはホクロ以外の皮膚に付けないようにして数回付ければホクロはなくなる。

【赤本の世界】
・黒ごまと蛇の抜け殻をまぜて摺りつぶし、飯粉で練って張り付ける。またヨクイニンを噛んで塗り付けても無くなる。

【新赤本 家庭の医学】
・ホクロの治療をするなら外科的処置が必要。最近、レーザー治療の効果が注目されている。
・イボはウィルス感染によるものなので潰すと周りに広がる。治療をするなら皮膚科で液体窒素治療を受ければ治る。



▼風邪の対策方法
【赤本】昭和5年発行 築田多吉 著
・編集中

【赤本の世界】
梅肉エキスを飲む。(作り方は本書へ丁寧に書いてあります)
・からし泥を15分以内だけ患部に貼る。(作り方は本書へ丁寧に書いてあります)
・アスピリン錠や葛根湯を服用する。

【新赤本 家庭の医学】
・症状に応じて市販の風邪薬を服用する。
・熱が長引いたりする場合は、かかりつけの医師に診てもらう。



▼鼻の病気(鼻炎、鼻臭、鼻茸、蓄膿、鼻水など)
【赤本】昭和5年発行 築田多吉 著
・ぬるま湯の濃い番茶一合の中へ塩を小さじに一杯入れて、スポイトなどで鼻孔へ注ぎ込み口から出す。又は反対の鼻の孔から出す。これを毎日二、三回洗って消毒する。中耳炎にならないよう必ずぬるま湯で耳に流れないよう静かに洗う。
・ドクダミ草の生の葉を塩で揉んで悪い方の鼻孔へ深く詰め込み二時間置きくらいに取り替えると、膿のような鼻汁が沢山出てきて蓄膿症が治る。



ほんの一部だけの比較ですが、ことあるごとに医師に診てもらえという西洋式医学書の姿勢にくらべて、築田多吉 著の「赤本」の方が奉仕の心がこもっていて愛を感じます。これこそが家庭の医学だと思います。
その他、鶏卵の黄身から作る卵油は心臓病に効果があるようで、動悸や息切れなどが2〜3日できれいに治るそうです。本書には作り方も詳しく説明してあります。
あと、ドジョウ療法は、オデキ、汗疹、関節炎、打撲、捻挫などに目から鱗なほど効き目があるそうで、まず新鮮なドジョウを裂いて骨を抜き、皮の方を患部に張り付けると不思議と治るそうです。これが気持ち悪いと思う人は芋湿布も同様の効果があるそうです。

大根や生姜なども、赤本の知恵を利用すると驚くほど免疫向上などの効能が発揮できるそうです。
おばあちゃんの知恵などから聞いたことがある人もいるかと思いますが、日本に馴染みがある身の回りにある素材で、病気や怪我に効く薬がこんなにも沢山存在していたことには驚きです。
Posted by GOOKI
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